IHI(7013)株価予想・FY2026 本決算プレビュー — 経常コンセンサス +14.9% 上振れ、防衛 + 航空エンジン追い風、為替前提 ¥140 保守、5/8 13:00 発表(株価 ¥3,045)

管理者

一行サマリー

IHI(7013、東証プライム)は 2026/5/8(金)13:00 ザラ場中に FY2026/3 本決算を発表予定。3Q 累計は 受注高 +12.4% で 1 兆 3,648 億円、営業利益 1,025 億円(▲0.9%)も親会社帰属当期利益 +10.7% で 850 億円の堅調着地。通期会社予想は経常 1,450 億円(+4.7%)に対し、コンセンサスは 1,665 億円(+14.9% 上振れ)4Q 為替前提 ¥140 vs 実態 ¥150-155 の保守性 + 防衛 + 航空エンジン追い風で、上方修正期待が市場の主流。株価 ¥3,045(10/1 株式分割 1:7 反映後、分割前換算 ¥20,160 相当)。

5/8 決算の 5 大論点

  1. 通期業績の上方修正有無: 受注高は 2/10 時点で 1 兆 9,400 億円へ +900 億円上方修正済、売上・利益の修正が遅れているため本決算で同調するか
  2. 4Q 為替前提 ¥140 の修正: 実態 ¥150-155 で、IHI の海外売上比率を考えると 数百億円規模の為替益 が出る可能性
  3. 航空・宇宙・防衛セグメントの利益回復: 3Q 累計 706 億円(▲25.3%、PW1100G-JM 整備費増の影響)から 4Q 単独でどこまで戻るか
  4. FY2027/3 来期ガイダンス: 防衛増額の継続、航空エンジン需要、為替前提の更新
  5. 配当方針 + 自社株買い: 通期 140 円(分割前換算、+16.7%)の継続性、+α の還元発表期待

3Q 累計(4-12 月)実績の整理

指標 Q3 累計 YoY
受注高 1 兆 3,648 億円 +12.4%
売上収益 1 兆 1,293 億円 ▲1.8%
営業利益 1,025 億円 ▲0.9%
税引前四半期利益 1,189 億円 +3.8%
親会社帰属当期利益 850 億円 +10.7%
EPS(分割後) 80.21 円 前年 72.48 円

セグメント別営業損益(3Q 累計):

セグメント 受注高 受注 YoY 売上収益 営業損益 損益 YoY
資源・エネルギー・環境 5,092 億 +95.9% 2,570 億 26 億 ▲76.3%
社会基盤 813 億 ▲13.3% 970 億 ▲7 億 (前期 ▲31 → 改善)
産業システム・汎用機械 3,335 億 ▲7.8% 3,299 億 287 億 +872.1%(譲渡効果)
航空・宇宙・防衛 4,164 億 ▲12.9% 4,238 億 706 億 ▲25.3%
その他 622 億 +8.1% 572 億 107 億 +104.3%

重要な構造変化:

  • 資源・エネルギー受注 +95.9%: 防衛関連の大型案件 + アンモニアガスタービン等のクリーンエネルギー受注
  • 産業システム +872.1% の利益急増: IHI アグリテック・芝草・汎用ボイラ・建材工業・新潟トランス等を譲渡完了、ポートフォリオ改革の効果が顕在化
  • 航空・宇宙・防衛 ▲25.3%: PW1100G-JM 追加検査プログラムの整備費増加が主因、構造的な需要弱化ではない

通期予想 vs コンセンサス

指標 会社予想(2/10 開示) コンセンサス 乖離
売上収益 1 兆 6,400 億円(+0.8%)
営業利益 1,600 億円(+11.5%)
経常利益(税引前) 1,450 億円(+4.7%) 1,665 億円(+20.3%、5/1 時点) +14.9%
親会社帰属当期利益 1,250 億円(+10.9%)
通期受注高 1 兆 9,400 億円(2/10 +900 億上方修正)

コンセンサス推移(経常利益):

  • 4 週間前: 1,668 億円(+20.4%)
  • 1 週間前: 1,665 億円(+20.3%)
  • 5/1 時点: 1,665 億円(+20.3%)

→ 4 週間ほぼ横ばいで、市場は「会社予想は保守的、+14.9% 上振れ着地」を一貫して期待

3 シナリオ — 上方修正 / 据え置き / 下方修正

A. 強気シナリオ(上方修正)

  • 通期営業利益 1,800〜1,900 億円着地(会社予想 +12〜+19%) で経常コンセンサス並みに到達
  • 4Q 単独で 為替益 +200〜300 億円(実態 ¥150-155 vs 会社前提 ¥140)
  • 航空・宇宙・防衛セグメントが 4Q 単独で 300 億円以上の営業利益確保(前期同期は ▲36 億円の特殊要因あり)
  • 来期 FY2027/3 営業利益 2,000 億円超 ガイダンス(+25% 程度)、防衛 + 航空エンジン継続追い風
  • 配当 140 円維持 + 自社株買い枠の発表
  • 株価は寄り後上値追い、3,100〜3,300 円トライ

B. 中立シナリオ(小幅上方修正)

  • 通期営業利益 1,650〜1,750 億円着地(会社予想 +3〜+9%)
  • 4Q 為替益はあるが、整備費 + 研究開発費が想定より重い
  • 航空・宇宙・防衛は緩やかな回復
  • 来期は **「不確実性ありながら堅調」**として +10〜+15% 程度の慎重な増益ガイダンス
  • 配当 140 円維持、自社株買いは限定的 or なし
  • 株価はレンジ内、2,800〜3,000 円で揉み合い

C. 弱気シナリオ(据え置き)

  • 通期営業利益 1,600〜1,650 億円で 会社予想ほぼピンポイント着地
  • 為替益はあるが、整備費 + R&D + 譲渡関連費の前倒し計上で利益伸び抑制
  • 航空・宇宙・防衛セグメントの 4Q が 200 億円以下に留まる
  • 来期は防衛継続前提も為替前提保守でガイダンス +5% 程度
  • 株価は売り先行、2,600〜2,750 円台に下押し

運営者の主観確率: A 50% / B 35% / C 15%。理由 (1) コンセンサスが 4 週間 +14.9% 上振れを一貫維持、(2) 受注は既に +900 億円上方修正済、(3) 為替前提 ¥140 の保守性で為替益確実、(4) ポートフォリオ改革で産業システム +872% の構造的利益拡大。会社予想据え置きの蓋然性は低く、上方修正がベースシナリオ

決算プレイ戦略 3 派(13:00 ザラ場発表の 2 時間枠)

A. 飛び乗り派(強気)

  • 12:59 までにロング構築 or 13:00 開示直後の急変動を取りに行く
  • 引け(15:00)まで 2 時間あるため方向感が出やすい(トヨタ 13:55 発表 より時間余裕あり)
  • 想定リターンレンジ: +5〜+10%(強気着地時)/ ▲3〜▲5%(弱気着地時)
  • 流動性: 株式分割後で個人参加が増えており、ザラ場急変動でも約定リスクは限定的

B. 利確派(中立、運営者推奨)

  • 既存ポジは 12:59 に 一旦整理
  • 13:00 開示 → 14:00 アナリスト/マスコミ向け説明会 → 引け(15:00)の 2 時間で方向感を確認
  • 説明会のキーメッセージ(来期ガイダンスの強気度合い、為替前提)を確認後に再エントリ
  • 引け後 PTS で改めて方向確認、5/9(土)翌週へ

C. 様子見派(慎重)

  • 13:00 までフラット、ポジション持たない
  • 引け後 PTS の動きを観察、5/9(土)アナリストレポート + 重工 3 社(トヨタ と並ぶ大型決算群)の反応待ち
  • 5/12(月)寄りでファンダ理解後に方向決定

運営者の推奨: A の蓋然性が高いシナリオだが、**13:00 発表 → 説明会 14:00 のタイムラグで「初動 → 説明会後の修正」**が起きやすい。B 利確派が最もリスクリワードが良い

株主還元・配当の継続性

中間 期末 通期合計(分割前換算)
2025/3 実績 50 円 70 円 120 円
2026/3 予想 70 円(分割前) 70 円相当(分割後 10 円 × 7) 140 円(+16.7%)

: 2025/10/1 効力で 1 株 → 7 株分割。期末配当は分割後ベースで 10 円、分割前換算で 70 円。実質的な配当総額は前期比 +20 円増配(+16.7%)。

配当性向:

  • 分割後 EPS 117.49 円 vs 配当 20 円(分割後)= 17%
  • 分割前換算: EPS 822.43 円 vs 配当 140 円 = 17%

17% は重工セクターでもやや低め、成長投資(航空エンジン・防衛・クリーンエネルギー)優先の姿勢継続。本決算での 自社株買い枠の発表が出ればサプライズ要因。

リスクと注目点

  • PW1100G-JM 追加検査プログラム: 整備費の追加発生リスク、エアラインへの補償交渉
  • 為替急変動: 4/30 円買い介入 後の方向感、追撃介入があれば為替益縮小(追撃シナリオ分析
  • 同業先行決算: 5/4 イラン × UAE ミサイル迎撃 等の地政学緊張で防衛株テーマは継続追い風だが、重工 3 社の決算がほぼ同時期で個別評価されにくいリスク
  • アンモニアガスタービン: クリーンエネルギー育成事業の収益化スケジュール、燃焼器開発の進捗
  • 大型受注の集中: 防衛大型案件の受注タイミングで四半期業績の振れ幅が大きい
  • 次回イベント: Q1 2026/3 決算(2026 年 8 月)、定時株主総会、中期経営計画 2023(2025 年度最終年度)の総括

関連リンク + 出典


本記事は決算前の事前予測であり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。記事内の数値・予測値は本日時点の公開情報に基づくもので、実際の決算結果が異なる可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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